[ニューヨーク/ワシントン 25日 ロイター] – 2016年米大統領選のロシア関与疑惑で、大陪審は25日までに、捜査妨害や証人買収、偽証罪で、トランプ氏の長年の盟友で、2016年陣営顧問のロジャー・ストーン被告を起訴した。

ストーン被告は同日未明、逮捕された。大統領選を巡るロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官の事務所が起訴状を公表した。

起訴状によると、内部告発サイト「ウィキリークス」が盗難被害に遭った民主党のメールを公開する計画をあらかじめ知っていた可能性を他人にほのめかした件などで議会で虚偽証言を行ったという。

陣営幹部が16年10月、ストーン被告に対し、ウィキリークスとされる「ある組織」に今後のメール公開予定を問い合わせるようメールで求めた。ストーン被告は、同組織が毎週相当数のメールを公開すると返信した。

関係者によると、この陣営幹部は選対本部長を務めたスティーブ・バノン氏だという。バノン氏はコメントの要請に応じなかった。

起訴状は、ストーン被告がある組織やそのトップ、盗まれたメール所持に関して選挙期間中に触れたとされる多数のメールやテキストメッセージに詳しく言及。被告は虚偽証言を行った際、なお多くの通信記録を持っていたとしている。

また、ある証人に虚偽証言や議会調査に情報を公開しないよう説得を試みたとされる。

ストーン被告の弁護士は現時点で、コメントの求めに応じていない。ストーン被告は過去に一切の不正行為を否定している。

ホワイトハウスのサンダーズ報道官は25日、ストーン被告の起訴とトランプ大統領・政権は無関係との認識を示した。CNNに「大統領は何も悪いことをしていない」と述べた。

トランプ氏が陣営幹部に対し、盗まれたメールについてストーン被告に連絡を取るよう指示したのかと繰り返し問われたが、サンダーズ氏は起訴状を読んでいないなどとして直接の回答を避けた。

トランプ大統領はツイッターで「わが国の歴史における最大の魔女狩りだ!共謀はない!」と述べた。

ストーン被告の弁護士、グラント・スミス氏は起訴に対し強く抗議するとの見解を示した。

ストーン被告はフロリダ州フォートローダーデールの連邦裁判所に出廷。判事はストーン被告を保釈金25万ドルで釈放し、南フロリダ、ニューヨーク市、ワシントンへの移動制限を命じた。

ウィキリークスにコメントを求めたが回答はなかった。