韓国外交省前で、日韓合意破棄と「和解・癒やし財団」の即時解散を訴える元慰安婦支援団体=2018年12月28日、ソウル、武田肇撮影 

 韓国女性家族省は、2015年の日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた「和解・癒やし財団」に、財団法人としての許可取り消しを通知した。日本政府は財団解散に同意しておらず、反発を強めそうだ。

 財団関係者によると通知は、22日付。今後、清算人を選定し、清算作業に入るが、解散までには1年程度かかる見通しだという。

 財団は、日韓合意に基づき、元慰安婦や遺族への現金支給事業を実施してきた。元慰安婦47人中34人が受給しているが、文在寅(ムンジェイン)政権は合意を朴槿恵(パククネ)前政権の失政と位置づける立場から、昨年11月に財団の解散方針を発表していた。

 文氏は合意の破棄までは求めないとして、日本政府が拠出した10億円のうち残余金約6億円については「本来の趣旨にあう用途で活用できるよう協議するのがいい」と述べたが、日韓の協議は進展していない。(ソウル=武田肇)