[ニューヨーク 7日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、ドルが対ユーロで上昇。ユーロ圏の成長見通し悪化を巡り不安が強まっている。一方、米中貿易摩擦に対する懸念が再燃する中、ドルは安全資産とされる円に対しては下落した。

欧州委員会は同日、ユーロ圏の今年と来年の成長率見通しを引き下げた。世界的な貿易摩擦や公的債務の拡大により、域内の主要経済国で景気減速が見込まれるとした。

ユーロ/ドルは0.11%安。12月の独鉱工業生産指数が予想外に低下したこともユーロ売りにつながった。OANDAのシニア為替アナリスト、アルフォンゾ・エスパルザ氏は、この日の指標から顕著な景気減速があらためて示されたとし、「欧州中央銀行(ECB)が恐らく年内動かないとの観測が強まりつつある」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.12%上昇の96.505と、6営業日連続で上昇の見通し。朝方発表された米新規失業保険週間申請件数は前週比1万9000件減の23万4000件と、前週につけた1年4カ月ぶりの高水準から大幅に改善し、労働市場の底堅さを 浮き彫りにした。

米中首脳が両国の通商協議の期限とする3月1日までに会談する公算は小さいとのニュースが伝わったことで、ドルはやや弱含み、対円で0.11%下落した。豪ドルは安定的に推移。前日はオーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁の講演を受け、利下げに道が開かれたとの見方が広がる中、豪ドルは対米ドルは1.8%下落していた。

ポンドは対ドルで一時下落。イングランド銀行(英中央銀行)が、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不確実性や世界的な景気減速を踏まえ、2019年の英国の経済成長率予想を10年ぶりの低水準に下方修正したことを嫌気した。

カナダドルは対米ドルで約2週間ぶり安値に沈んだ。世界経済減速を巡る懸念や国内雇用統計の発表を8日に控えた警戒感から売りが優勢となった。

ドル/円 NY終値 109.80/109.83
始値 109.81
高値 109.87
安値 109.61
ユーロ/ドル NY終値 1.1340/1.1342
始値 1.1327
高値 1.1360
安値 1.1327