【バンコク時事】タイのワチラロンコン国王は8日夜、軍事政権と対立するタクシン元首相派の政党が3月24日に予定される総選挙で、国王の姉のウボンラット王女を首相候補に擁立したことについて、「不適切で違憲」との声明を発表し、容認しない考えを示した。

 これにより、選挙管理委員会がウボンラット王女の擁立を認めないという見方が強まっている。擁立したタイ国家維持党や党執行部が処分を受ける可能性もある。

 国王は「王族は政治を超えた立場を維持し、常に国家と国民のために責務を果たさなければならない」と強調。「どのような形であれ、王族の政治参加は古い伝統に反する」と指摘した。ウボンラット王女は米国人と結婚して王室を離れたが、離婚後は王室の一員として扱われている。(2019/02/09-06:37)