[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、ドルが年初来高値を付け、8営業日続伸となる勢いだ。対中貿易合意のほか、欧州の景気減速を巡る懸念が広がり、安全資産とされるドルに買いが入った。 

続伸期間は2017年2月以来2年ぶりの長さとなる。 主要6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.43%高の97.057。 ユーロが対ドルEUR=で1.1263ドルと昨年11月14日以来の安値を記録、ドルは円JPY=に対して110.46円に上昇した。 

中国外務省は11日、今週再開された米国との通商協議での進展に期待を示す一方、南シナ海での米海軍艦船の航行を非難した。 投資家らは、米中合意の可能性に懐疑的な見方を示し、3月1日の期限延長を予想する声も聞かれる。 

バークレイズのストラテジストは「知的財産や技術移転問題で何ら進展が見られず、今週期待できるかは分からない」と話した。 

先週の軟調な欧州指標も、ドルの対ユーロ相場押し上げにつながった。欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は7日、四半期の経済予測で、ユーロ圏の今年と来年の成長率見通しを引き下げた。世界的な貿易摩擦や公的債務の拡大により、域内の主要経済国で景気減速が見込まれるとした。 

英ポンドは、EU離脱を巡る不透明感も背景に対ドルで値下がりした。 

ドル/円 
NY午後4時 110.38/110.41 
初値 110.11 
高値 110.46 
安値 110.11

ユーロ/ドル 
NY午後4時 1.1275/1.1278 
始値 1.1312 
高値 1.1315 
安値 1.1267