トルコの検察は、3年前に起きたクーデター未遂事件の犯行グループだと断定したイスラム組織、ギュレン教団が、警察の内部で影響力を拡大しようと過去に昇進試験で不正をした疑いがあるとして、1100人余りの拘束を命じ、これまでに640人余りを拘束しました。

トルコの検察は12日、ギュレン教団が9年前、警察内部の昇進試験をめぐり、教団に所属する警察官たちに試験問題を事前に漏らした疑いがあるとして、合わせて1112人の拘束を命じました。

トルコのアナトリア通信によりますと、そのうちの半数を超える641人がこれまでに拘束され、残る容疑者たちも捜査当局が行方を追っているということです。

また、司法当局者の話として、ギュレン教団が、教団所属の警察官たちを不正な手段で昇進させることで警察内部での影響力を拡大しようとしたと伝えています。

トルコのエルドアン政権は、教団の指導者でアメリカに滞在しているギュレン師を3年前に起きたクーデター未遂事件の首謀者と断定し、アメリカ政府に身柄の引き渡しを求めるとともに、トルコ国内では多くの教団メンバーを拘束したり公職から追放したりしてきました。

ギュレン師は、クーデター未遂への関与を一貫して否定していますが、検察が新たに1000人以上の拘束を命じたことで、エルドアン政権としては、教団を追い詰める姿勢を改めて示した形です。