【ククタ(コロンビア北部)=外山尚之、ニューヨーク=吉田圭織】政情混乱が続く南米の産油国ベネズエラで12日、野党指導者のグアイド国会議長の呼びかけによる大規模な反政府デモが開催された。マドゥロ政権が海外からの救援物資を拒否する姿勢を崩さないなか、グアイド氏は「2月23日は支援物資がベネズエラに入る日になる」と予告した。
12日、反政府デモの集会で演説するベネズエラのグアイド国会議長(中)(カラカス)=ロイター
首都カラカスのデモには少なくとも数万人が参加し、マドゥロ氏の退陣や救援物資の受け入れを要求した。グアイド氏は23日に救援物資が届くとしたうえで「我々にはすべきことがたくさんある」と述べた。
現在、コロンビア北部の国境沿いには米国からの救援物資が届いているが、マドゥロ政権は道路を封鎖し、受け取りを拒否している。グアイド氏はツイッターで軍に対し「人道支援の物資を国に入れるよう許可せよ」と命令した。軍はマドゥロ政権の指揮下にあり、命令の効果は不透明だ。
12日にはベネズエラのアレアサ外相がニューヨークの国連本部で記者会見し、「ベネズエラに人道危機は存在していない」と断言。「(米国の)制裁によって経済が封鎖されているだけだ」と述べ、米国を批判した。
ベネズエラでは米国や欧州・中南米の主要国など40カ国以上がグアイド氏を暫定大統領として承認しており、これを認めないマドゥロ政権との対立が深刻になっている。