【ワシントン時事】米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は12日、上院軍事委員会の公聴会に提出した書面で「北朝鮮が全ての核兵器と核兵器製造能力を放棄する可能性は低い」との見解を明らかにし、トランプ政権が目指す北朝鮮の完全な非核化に悲観的見方を示した。

対北朝鮮関係改善の兆し=金正男氏殺害から2年-マレーシア

 デービッドソン氏は北朝鮮情勢について「緊張は低下した」と述べ、2月末にベトナムで予定される2回目の米朝首脳会談に期待を表明。一方で「北朝鮮は部分的な非核化に応じる見返りとして、米国や国際社会から譲歩を引き出すことを狙っている。(この点で)インド太平洋軍の分析は情報機関の見解と一致している」と述べた。

 同じく公聴会に出席したエイブラムズ在韓米軍司令官も「北朝鮮の軍事力にはほとんど、あるいは全く検証できる変化が起きていない」と語り、非核化の意図に疑問を呈した。(2019/02/13-08:29)