[ニューヨーク 14日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場でドルが下落した。昨年12月の米小売売上高が約9年ぶりの大幅なマイナスとなり、年末の景気急減速を示唆した。
主要6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.14%安の96.997。 ユーロは対ドルEUR=で0.29%高の1.13ドル。
12月小売売上高は前月比1.2%減と、景気後退から抜け出し始めた2009年9月以来の大幅な減少となった。11月の数字は当初発表の0.2%増から0.1%増へ小幅に下方改定された。
BNPパリバの北米外為戦略部門トップ、ダニエル・カツィーブ氏は「小売売上高統計が予想よりかなり弱かったと判明するまで、ドルは底堅く推移していた」と指摘。景気の勢いが想定より弱いことが指標でうかがえ、ドルを押し下げたとみる。
アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、昨年第4・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率見通しは年率1.5%と、2%を割り込んだ。
JPモルガン・チェース(JPM.N)は、連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しについて、2019年と20年はともに1回ずつになるとして、それぞれ2回としていた従来の見通しを下方修正した。
カツィーブ氏は「FRBは第1・四半期に政策を据え置く。再び政策決定が必要となるまでにさらに多くの指標が公表され、この軟調さが株式市場の不安に関連したものか、より深刻な事態が進行しているかが把握しやすくなる」と話す。
昨年第4・四半期のドイツGDP速報値は、前期比の伸び率がゼロ%と、市場予想(0.1%増)や、ユーロ圏GDP改定値(0.2%増)を下回った。これを受け、ユーロは一時3カ月ぶりの安値を付ける場面があった。ただ、米中通商協議の進展期待が下落の勢いを和らげた。
ドル/円
NY午後4時 110.51/110.52
始値 111.05
高値 111.06
安値 110.47
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1290/1.1293
始値 1.1268
高値 1.1310
安値 1.1262