【ワシントン=黒瀬悦成】米主要メディアは15日、ウィリアム・ウェルド元マサチューセッツ州知事(73)が来年の大統領選で現職のトランプ大統領に対抗して共和党候補指名を争う意向を表明したと伝えた。共和党でトランプ氏の対抗馬が出馬表明するのは初めて。当面は資金集めを進め、予備選・党員集会を戦い抜けるかを判断するとしている。
ウェルド氏は15日、全米に先駆けて最初の予備選が行われるニューハンプシャー州での会合で、トランプ氏を「校庭のいじめっ子のようだ」と評し、「ここまでの悪ふざけを今後6年も見る必要はない」と述べ、トランプ氏の再選を阻止する決意を表明した。
ウェルド氏は連邦検事などを経て1991~97年にマサチューセッツ州知事を務めた。指名争いでトランプ氏に勝つ可能性は低いとみられているものの、一定の支持を集めれば、92年大統領選で再選を目指した父ブッシュ大統領が指名争いで保守系政治評論家のパット・ブキャナン氏を相手に苦戦して求心力を低下させ、本選で民主党のビル・クリントン氏に敗北した事例の再来となる可能性を指摘する声もある。