【ワシントン時事】トランプ米大統領が不法移民流入を理由に国家非常事態を宣言したことは憲法違反だとして、カリフォルニアなど16州が18日、宣言に基づく大統領権限行使の差し止めを求めてカリフォルニア州内の連邦地裁に提訴した。米各メディアが伝えた。トランプ氏が野党民主党の反対を押し切って進める壁建設は、当局間の法廷闘争に発展した。
トランプ氏は15日、メキシコ国境からの不法移民流入が「国の核心的利益を脅かしている」として非常事態を宣言した。民主党が下院多数派を占める議会の承認を得ず、壁建設に必要な予算を確保するのが狙いで、米政府は薬物対策費や軍の建設予算など約80億ドル(約8800億円)を壁建設に充当可能だと説明している。
提訴したのは、カリフォルニアのほか、ニューヨーク、ハワイなど民主党が知事を務める各州と、共和党知事のメリーランド州。非常事態宣言が「憲法に反し違法」だと批判するとともに、訴訟を通じ「憲法で定めた権力分立の原則を踏みにじるトランプ氏から、州の住民および利益を守る」と主張した。(2019/02/19-11:58)
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