米朝首脳会談

今月末に行われる米朝首脳会談を前に、日本時間の19日夜、アメリカのトランプ大統領と韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が、電話で会談しました。この中でムン大統領は、北朝鮮の非核化を後押しするための措置として、南北の経済協力を活用することを提案しました。

韓国大統領府によりますと、トランプ大統領とムン・ジェイン大統領は、日本時間の19日夜、午後10時から35分間にわたって電話会談を行いました。

この中でトランプ大統領は、今月27日と28日にベトナムの首都ハノイで行われる米朝首脳会談について、「大きな成果をあげると予想している」と期待を示しました。

またムン大統領は、北朝鮮が非核化に向けた行動の見返りにアメリカに相応の措置を求めていることについて、「トランプ大統領が求めるなら、その役割を引き受ける覚悟ができている」と述べ、南北の経済協力を活用することを提案しました。

具体的には、南北間の鉄道と道路の連結などを挙げて、「アメリカの負担を減らす道だ」と述べました。

北朝鮮の非核化をめぐっては、米朝の立場の隔たりは埋まっていませんが、ムン大統領としては、非核化を後押しするための措置として、南北の経済協力を活用すればアメリカにとってもメリットになるとアピールした形です。

米議会では南北経済協力進展に懸念

アメリカ議会では、北朝鮮の非核化に進展が見られない中で南北の経済協力が進むことに懸念の声が出ています。

共和党のクルーズ上院議員と民主党のメネンデス上院議員は先週、共同でポンペイオ国務長官に書簡を送り、韓国がアメリカと十分調整せずに北朝鮮と経済協力を進めかねないことに、強い懸念を表明しました。

そのうえで、北朝鮮の非核化を実現するためには、北朝鮮に対する圧力を維持することが重要だと指摘し、トランプ政権に対し米韓の足並みが乱れないよう韓国のムン・ジェイン政権への働きかけを強めることを求めています。