[20日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が20日に公表した1月29―30日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、FRBが「忍耐強い」政策を続ける期間について新たな手掛かりはなかった。また、4兆ドル規模のバランスシートの縮小を巡る計画を「近いうちに」発表するとしているが、詳細は不明瞭なままだ。 

当局者が今のところ、世界経済の減速による影響やこれまでの利上げの効果を見極める上で、金利を据え置くことがリスクにはならないと考えていることも明らかになった。 

要旨では「フェデラル・ファンド(FF)金利の目標レンジを巡り、多くの参加者はどのような調整が年内に適切となり得るかまだ明確でないとの見方を示唆した」と指摘。 

「何名かの」参加者は、インフレ率が予想外に上昇した場合のみ、利上げが必要となってくるとの見方を示した。また「他の何名かは、経済が予想通りの展開を示した場合、金利を年内に上げることが適切だと指摘した」という。 

FRBは1月、3年間続けてきた利上げ政策を一時停止し、次の金利調整まで忍耐強く待つと表明した。政策金利は現在、2.25-2.50%だ。 

中国や欧州経済の減速や減税政策の効果が薄れていることなど、米経済が複数の逆風にさらされている中で、FRBはハト派的な姿勢を示した。 

1月の会合以降、複数のFRB当局者が経済は良好だと主張。それでも不安は解消されていない。景気低迷に対応するために、FRBが来年初めまでに緩和政策を進めるとみる金利先物トレーダーも増加している。 

FRBはまた、4兆ドルのバランスシートの縮小について、ペースを落とすか停止する可能性を示唆。FRBのバランスシートは2007─09年の景気後退期以降に膨れ上がっていたが、17年終わりから縮小し始めた。 

議事要旨は、FRBがバランスシートを巡る決断に近づいていることを示唆。「ほぼ全員の参加者が、近いうちに資産縮小を年内に停止する計画を発表することが望ましいとの考えを示した」。FRBは現在の政策の下、縮小幅を月500億ドルとしている。 

ブラックロックのボブ・ミラー氏は投資家向けのメモで、FRBが5月の会合までに、バランスシートを巡る計画を明らかにするだろうとの見方を示した。6月までに決断を下し、7月か遅くとも10月までに資産縮小を終えるとし、金融・株式市場の安定につながるだろうと指摘。「FRBは3会合連続でバランスシートについて細かく協議した。資産縮小計画の今後について話し合う緊急性があることを示唆する」と述べた。