[ニューヨーク 21日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、朝方発表された一連の米経済指標が思わしくなかったことでドルは軟調になっていたが、米中通商協議や英国の欧州連合(EU)離脱協議などを見据え、相場を動かす新たな要因に視点が移ったことで、ドルは下げから回復した。
この日発表の経済指標では、昨年12月の耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月から0.7%減と、市場予想の0.2%増に反して減少。この他、フィラデルフィア地区連銀が発表した今年2月の連銀業況指数はマイナス4.1となり、1月のプラス17.0から大幅に低下した。マイナス圏は2016年5月以来初めて。
キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のシニア米国エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「耐久財受注統計で、米経済成長率が近く潜在力の2%を下回る水準に減速するとの見方が改めて裏付けられた。これにより米連邦準備理事会(FRB)は年内は金利を据え置くと予想される」と述べた。
テンパス(ワシントン)のトレーディング担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「軟調な経済指標を受けドルは当初下落していたが、こうした動きはその後収束した」と指摘。「現在はレンジ内の動きに終始している。相場を動かす新たな要因が出なかったため、今は動意待ちとなっている」と述べた。その上で、新たな動意は米中通商協議や英国のEU離脱協議に関連するものになる可能性を指摘した。
午後の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.2%上昇の96.611となっている。 ドルは対円JPY=で0.2%安の110.69円。ただ、対スイスフランCHF=と対英ポンドGBP=では上昇した。 ユーロ/ドルEUR=は1.1343ドルと、ほぼ横ばい。
ドル/円
NY午後4時 110.68/110.71
始値 110.73
高値 110.83
安値 110.58
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1337/1.1342
始値 1.1348
高値 1.1366
安値 1.1323