【ククタ(コロンビア)時事】コロンビア北部のククタ郊外にある対ベネズエラ国境で23日、ベネズエラの「暫定大統領」就任を宣言しているグアイド国会議長が、米国などが提供した人道支援物資の自国への搬入を試みたが、独裁的な反米左派のマドゥロ政権による国境閉鎖を解くことができずに失敗した。ただ、グアイド氏は支援物資の一部がベネズエラ領に到達したと主張している。
グアイド氏は同日午前、国境のティエンディタス橋のたもとで同氏を支持するコロンビアのドゥケ、チリのピニェラ、パラグアイのアブドベニテス各大統領らとともに出発式を挙行。「われわれの勇敢なボランティアたちは食料や医薬品を守るための人間の鎖をつくっている。人道の雪崩は止まらない」と関係者を鼓舞した。しかし、橋は中央でベネズエラ側のコンテナなどにふさがれており、物資を満載したトラック10台は橋への進入もかなわなかった。
グアイド氏は同日夜、「きょうの出来事を受けて心を決めた。国際社会に対し、われわれはベネズエラの自由を守るため、あらゆる手段を取らねばならないことを正式に表明する」と述べ、強制的にマドゥロ大統領を排除する必要を訴えた。
他の国境の橋では、搬入許可を要求するベネズエラ人の若者らとベネズエラ治安部隊が激しく衝突。若者ら約300人が負傷した。コロンビア入管当局によると、この間、約60人のベネズエラ治安部隊員がグアイド氏の呼び掛けに応じて同氏に帰順した。(2019/02/24-16:45)