【ククタ(コロンビア)時事】人道支援物資の搬入が試みられたベネズエラと隣国コロンビアとの国境の一つシモン・ボリバル橋では23日、ベネズエラ治安部隊とグアイド国会議長を支持する勢力が国境線を挟んで数十メートルの距離で対峙(たいじ)した。グアイド氏や南米首脳らが陣取ったティエンディタス橋が静寂に包まれていたのとは対照的に、激しい攻防が終日続いた。
ベネズエラ議長、支援物資搬入に失敗=国境で激しい衝突-コロンビア北部
グアイド派の多くはコロンビア側に渡った若いベネズエラ人男性。移動式フェンスの陰に身を隠しながら石や火炎瓶を治安部隊に投げ込むと、治安部隊側は催涙弾の水平射撃などで応酬。直撃を受けた若者らが負傷して運ばれていく光景が繰り返された。
頭から血を流し、前戦から退いてきた若い男性は「国民が飢えているのは承知のはずなのに、支援物資を拒むなんてマドゥロ大統領は正気なのか」とまくしたてた。
一方、ベネズエラから買い出しに越境したものの国境閉鎖で帰れなくなったという無職ヘルソ・マルドナドさん(39)は「かつては豊かだったベネズエラをマドゥロは台無しにした。いったい今後、どうなってしまうのか」と、催涙弾に当たったという胸の傷を見せながら心細げに語った。(2019/02/24-11:05)