- 中国による人民元切り下げ回避に為替条項での合意履行が重要
- 一つの選択肢は中国が公約を破った場合の関税引き上げ-関係者
米中両国はワシントンでの貿易協議で、為替条項での合意の履行という非常に重要な問題で意見が一致しておらず、交渉を続けている。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。合意履行が実現すれば、中国が人民元相場を切り下げないという公約に従うのを確実にすることになる。
ムニューシン財務長官は22日、米中閣僚級の2日間の協議後に中国との為替条項での合意がこれまでで最も強固なものだと称賛したが、詳細には言及していない。中国製品への関税引き上げを回避するための幅広い貿易合意を求めて、閣僚級協議は延長され、週末も交渉を続けている。
トランプ大統領は24日のツイートで、23日の貿易協議が「非常に生産的だった」と述べるとともに、今週行われる北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談への貢献で中国の習近平国家主席を称賛した。
同大統領はこれまで中国が競争上優位に立つため人民元を操作していると非難していたが、財務省は半年次為替報告で同国を為替操作国とは認定していない。
貿易協議の中で中国はトランプ大統領が要求する米貿易赤字削減のため、農産品やエネルギーなど米国製品の購入拡大を提案。ただ、両国は中国で事業を展開する米国企業からの知的財産の盗窃疑惑への対応など、中国経済のより一段の改革でなお議論を続けている。
米財務省と通商代表部(USTR)に為替を巡る交渉でコメントを23日に求めたが、いずれも回答していない。
協議に詳しい関係者2人によると、合意の履行で議論されている1つの選択肢は中国側が公約を破った場合に、米国が中国製品への関税を引き上げることだという。
原題:U.S.-China Said to Haggle Over How to Enforce Currency Pact (1)(抜粋)