[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対円で10週間ぶり高値を付けた。朝方発表された2018年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)伸び率が予想を上回ったことが追い風となった。ドルは対ユーロでの下げ幅も縮小した。
第4・四半期のGDPは年率換算で前期比2.6%増と、市場予想の2.3%増を上回った。18年通年では2.9%増と、前年の2.2%増から加速し、15年以来の大幅な伸びを記録した。
モネックス・ヨーロッパの市場アナリスト、バート・ホーディック氏は「年内の米追加利上げは1回弱という慎重な観測が市場に織り込まれる中、ドルが上振れる可能性を示唆した」と述べた。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数.DXYは96.175。GDP統計発表前は3週間ぶり安値を付けていた。2月はリスク資産の買いが膨らんだこともあり、月末の売りが出ていたことも指摘された。
ドル/円JPY=もGDP統計を追い風に一時10週間ぶりの高値となる111.49円を付けた。その後は0.5%高の111.48円で推移した。
クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は、GDP統計を受けFRBの利上げ軌道に変更はないと指摘し、年内にあと1回の利上げが実施されるとの見通しを示した。
ユーロ/ドルEUR=は0.1%高の1.1376ドル。ユーロは一時付けていた3週間ぶり高値から上げ幅を縮小した。
安全資産と見なされるスイスフランCHF=は対ドルで0.4%高の0.9973フラン。2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が2016年2月以来3年ぶりの水準に低下したことや、米朝首脳会談が合意なしに幕を閉じたことが買い材料となった。
トランプ米大統領はこの日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談後の記者会見で、北朝鮮が制裁解除を要求したため、合意することができなかったと明らかにした。
ドル/円
NY午後4時 111.45/111.48
始値 110.79
高値 111.49
安値 110.74
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1372/1.1376
始値 1.1415
高値 1.1419
安値 1.1359