- 米朝会談は決裂、翌日未明に李容浩外相が異例の記者会見
- トランプ米大統領は北朝鮮が制裁の全面解除を要求したと説明
北朝鮮の李容浩外相は、金正恩朝鮮労働党委員長が経済制裁の全面解除を要求したと主張するトランプ米大統領に異議を唱え、同国は米国に対して非核化プロセスを開始するための「現実的な提案」を行ったと述べた。
李外相は米朝首脳会談の翌日となった3月1日未明に記者会見し、核施設数カ所を閉鎖する見返りに要求したのは経済制裁の全面解除ではなく、一部の解除だと通訳を通じて説明した。北朝鮮高官が記者会見を開くのは異例。
北朝鮮代表団が宿泊するハノイのメリア・ホテルで李外相は、同国は会談に真剣に臨んだとし、米国側には「現実的な提案」をしたと述べた。
李外相の会見に続いて記者団の質問に答えた崔善姫外務次官は、北朝鮮の提案を受け入れなかった米国は「千載一遇の機会を逃した」と発言。同次官はさらに、金委員長が米国式の交渉術を理解できなかったとの感覚を抱いているとし、トランプ氏と将来交渉する「意欲を失ったのではないかとの印象を個人的に受けた」と述べた。
トランプ大統領は会談後の記者会見で、金委員長は「制裁の完全解除を望んだが、米国としてそれはできなかった」と発言。完全解除の見返りに北朝鮮側が提案したのは、寧辺(ニョンビョン)核施設の解体だったと説明していた。
同大統領はすでにワシントンへの帰途にある。ホワイトハウスのサンダース報道官は、給油のために駐機したアラスカ州で、北朝鮮外相による記者会見については大統領に説明がなされたと確認した。同報道官は、「単なる合意ではなく、良好な合意に至りたいというのがわれわれの考えだ」と述べた。
原題:North Korea Disputes Trump Claim Kim Sought to End All Sanctions(抜粋)