[ハノイ/ソウル 1日 ロイター] – 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、ハノイで記者会見を開き、物別れに終わった米朝首脳会談で北朝鮮は寧辺の核施設廃棄を提案し、その見返りとして制裁の一部解除を求めるという現実的な提案を行ったと説明した。 

トランプ米大統領は会談後の記者会見で「基本的に、北朝鮮は全面的な制裁解除を要求したが、それはできなかった」と説明しており、李外相の説明はそれと食い違う。 

李外相は、米側が寧辺の核施設廃棄のみでは不十分として、北朝鮮側の提案に応じなかったと語った。核実験の恒久的中止を提案したことも明らかにした。 

さらに、北朝鮮が求めたのは制裁の一部解除で、全面解除は要求しなかったと強調した。また制裁解除を求めたのは国民生活に関連するもので、軍関連のものではなかったと説明。「これは二国間の現在の信頼レベルの下でわれわれに可能な非核化への最大のステップだ」と述べた。 

米国が制裁を一部解除すれば、米専門家の監視下でプルトニウムやウラン関連施設を廃棄するなど、すべての核開発を恒久的に中止することは可能と語った。 

その上で、今回の会談が千載一遇の好機だった可能性があるとし、北朝鮮側の要求が変わることはないかもしれないと述べた。 

会見に同席した崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、米国が寧辺の核施設廃棄の見返りとして制裁一部解除を拒否したことから、金正恩・朝鮮労働党委員長が「合意模索への意欲を失う可能性がある」と指摘した。 

一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は1日、金委員長とトランプ大統領が朝鮮半島の非核化と米朝関係の進展に向けて、首脳会談で協議した問題を解決するために引き続き生産的な話し合いを続けることで一致したと伝えた。