- FRBが景気判断引き下げ、ECB新たなオペ実施に前向きか
- トランプ氏は株価に執着、ドイツ銀の悪いニュース、過去最大の赤字
次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で経済討議の資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)。全体の景気判断は下方修正され、労働力不足が雇用の伸びを抑制しているとの指摘がありました。景気の状況を「横ばい」と報告したセントルイス連銀地区では、学業より就業を優先する傾向が強まり、高等教育機関の入学者が減っているそうです。米労働省は2月の雇用統計を8日に発表します。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
政府閉鎖の影響
米連邦準備制度理事会(FRB)が公表したベージュブックは1、2月に米景気が減速したことを示した。大半の地区が景気は「わずかないし緩やか」に拡大したと報告。「政府機関の閉鎖が一部セクターの経済活動減速につながった」という。労働市場の引き締まりをよそに、過半数の地区で賃金や物価全般の上昇は比較的緩やかだったが、関税については数地区で引き続き価格への上昇圧力となった。
新たなオペ
欧州中央銀行(ECB)当局者は7日に公表する最新の経済予測で、景気見通しを引き下げる見通しだ。引き下げ幅は銀行向けの新たな資金供給オペ実施を正当化できる規模だと、関係者が明らかにした。この報道を受けてユーロはいったん下落。政策委員会会合後の記者会見でドラギ総裁が公表するまで、ECB見通しは正式なものではない。
選挙と株価
トランプ米大統領は中国との通商合意を速やかにまとめるよう、担当者に圧力をかけている。合意のない状態が株価を押し下げかねないことに懸念を強めており、合意成立で株価の上昇を促したい考えだと関係者が述べた。大統領が株価について頻繁に尋ねるため、政権幹部らは呼び出された際には相場の動きを事前に見ておくようにしているという。
ドイツ銀行
関係者によれば、ドイツ銀行の見積もりでは株式トレーディング部門は2018年に約7億5000万ドル(約840億円)の損失を出した。米株部門は何年もの間、利益を生んでおらず、株式業務全体の閉鎖を検討した時期もあったという。別の関係者によれば、ドイツ銀の行員は6日に18年のボーナス支給額について通知を受けたが、大幅削減が多く、中には支給額ゼロのケースもあった。
減税で輸入増
18年の米貿易赤字は10年ぶり高水準の6210億ドルに拡大。トランプ政権による減税で輸入需要が高まった一方、ドル高や報復的な関税が輸出への重しになった。財のみの貿易赤字は過去最大の8913億ドル。対中貿易赤字(財のみ)も過去最高の4192億ドル。トランプ氏の大統領就任後2年間に貿易赤字は1190億ドル拡大し、赤字削減の選挙公約とは相反する結果となった。
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