[プリンストン(ニュージャージー州) 7日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は7日、リスク上昇や支出鈍化の兆しがあるため、FRBは経済見通しを変更せずとも利上げ予想を引き下げるべきと述べた。
ブレイナード理事はプリンストン大学での講演で、最も確実性の高い「経済見通しが変更されなかったとしても、生産と雇用の下向きリスクの高まりはフェデラル・ファンド(FF)金利見通しの軟化を訴えている」と語った。
また米経済のリスクが上昇しているほか、現在の経済指標で企業や消費者の支出減少を示す兆候が見られると言及。「雇用とインフレから得てきた恩恵を守る最善策は慎重な金利誘導だ」とした。
FRBが金融危機後に購入した保有債券について、年内の縮小終了を見通した。
「連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを適切と考えたときと同時にバランスシートを縮小させることを望まない」と述べた。
講演後の質疑応答で、どんな金利政策が年内必要になるかを予断したくないとしたほか、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱などが大きなリスクと指摘。労働市場指標を注視する考えを示した。
堅調な労働市場が、利上げを正当化するほど高い物価水準につながっていることを示す兆候はほとんどみられず、インフレトレンドが実際にFRBの目標(2%)を下回る可能性を指摘した。
インフレ目標自体を再考する可能性について問われると、想定し得る枠組み案の範囲が定まっていないとの認識を示した。