[ニューヨーク 7日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、欧州中央銀行(ECB)理事会の決定を受けユーロが対ドルが急落、2017年6月以来1年9カ月ぶりの安値を付けた。

ECBは政策金利を据え置くとともに、危機後初となる利上げの時期を来年に先延ばしすると発表。さらに超長期の銀行向け低利融資を再び実施すると表明した。 政策金利に関しては従来の「少なくとも今年夏にかけて」から「少なくとも今年末まで」現行水準を維持する方針とした。

市場は当初、政策金利のガイダンス変更を想定しておらず、サプライズと受け止めた。ECBは成長・インフレ見通しも下方修正した。

FXストリート(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョゼフ・トレビサーニ氏は「成長の阻害要因が数多く存在する中で、ECBに選択の余地はなかった」と述べた。ただECBが緩和政策を打ち出しても域内需要の低迷や政治的緊張と
いった問題が解決に向かうとは考えにくく、ユーロへの下押し圧力は継続するとみられている。

ユーロ/ドルは一時1.11765ドルに下落。その後は1.12%安の1.1181ドルで推移した。下げ幅は18年6月以降で最大を記録した。他の欧州通貨も軟調。スウェーデンクローナは一時9.476クローナと16年12月以来の安値を付けた。ハンガリー・フォリントも1.38%急落した。

こうした中、主要6通貨に対するドル指数は0.84%高の97.685。一時12月17日以来の高値を付けた。ただ「一段の上値余地は限られる」(SSGA)という。この他、豪ドルは0.33%安。カナダドルは0.16%安。

ドル/円 
    NY終値 111.58/111.61
始値 111.68
高値 111.85
安値 111.49
ユーロ/ドル 
    NY終値 1.1192/1.1195
始値 1.1308
高値 1.1313
安値 1.1177