日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が、ルノーの会長兼CEO=最高経営責任者だった2016年に、フランスのベルサイユ宮殿で開いた結婚披露宴の費用について、ルノーの資金が流用された可能性があるとして、フランスの検察当局が背任などの疑いで予備的な捜査を始めたことがわかりました。

これは、フランスの検察当局が11日、NHKの取材に対して明らかにしたものです。

ゴーン前会長は、ルノーの会長兼CEOだった2016年10月、ベルサイユ宮殿でキャロル夫人との結婚披露宴を開き、その豪華さが話題となりました。

検察当局は、この費用をめぐって、ゴーン前会長がルノーの資金を流用した可能性があるとして、先月28日に背任と、会社の財産を乱用した疑いで予備的な捜査を始めたということです。

ベルサイユ宮殿は通常、施設を借りるのに5万ユーロ(日本円で600万円余り)かかりますが、ルノーは先月、宮殿側に支援事業として拠出した資金のうち、5万ユーロが結婚披露宴の費用として、ゴーン前会長の個人的な利益のために使われていたことがわかったと発表していました。

これについて、ゴーン前会長のフランスの弁護士は先月8日、ゴーン前会長が宮殿を無償で使った経緯を把握していなかったという見方を示したうえで、費用を支払う用意があると釈明していましたが、予備的な捜査が始まったことで、ゴーン前会長が今後開くとみられる記者会見でどのように説明するのか注目されます。