- 離脱案が20日までに承認されれば、6月30日までの延期を申請
- 首相の離脱案が否決されれば長期の離脱延期を余儀なくされる恐れ
英議会は14日、欧州連合(EU)に離脱延期を要請する政府案を可決した。メイ首相はEUと取りまとめた離脱合意案をこれまで2度にわたり下院で否決されたが、自らの離脱案を再び議会に諮る機会を得た。
賛成412、反対202で可決された政府案は議会に対し、メイ首相の不人気な離脱案を20日までに承認し、6月30日までの延期を経てEUを離脱するか、さもなければEUが設定する条件に従い、長期の離脱延期を余儀なくされるか選択を迫る首相の戦略に沿った内容だ。
メイ首相はこの日、自らの離脱案が来週中に承認されない場合は、離脱プロセスの主導権を議会が握るチャンスを25日に与えることも約束した。これは首相が支持を取り付ける必要がある離脱強硬派に脅しをかける戦術といえる。
離脱の主導権の議会による掌握を目指す案を労働党のヒラリー・ベン議員が先に提出した際は、与党保守党からの造反もあってわずか2票差で辛うじて否決されており、情勢は予断を許さない。
EUは5月後半までの離脱延期を容認する可能性も示唆しているが、首脳らの立場は一致しておらず、英国は離脱延期の明確な理由を示す必要があるとEU当局者は述べている。
原題:May Wins Parliament’s Backing for Her Plan to Delay Brexit (1)
May Wins Parliament’s Backing for Her Plan to Delay Brexit(抜粋)