アメリカのトランプ大統領は、中国との貿易交渉が合意に達しても、中国からの輸入品に関税を上乗せしている制裁は解除しない考えを示しました。中国が合意の内容を守ることを確かめるまで制裁は緩めないとけん制した形です。
アメリカのトランプ政権は、中国からの2500億ドル分の輸入品に関税を上乗せする制裁措置を発動していますが、米中両国が進める貿易交渉が合意に達した場合、この制裁を解除するかどうかが焦点の1つになっています。
トランプ大統領はこれについて20日、記者団に、「長期間、制裁関税をかけ続けることを議論している。合意内容を守るかどうか見極める必要があるからだ」と述べて中国側をけん制しました。
アメリカの一部のメディアは、トランプ政権が関税による制裁を緩めない姿勢を示しているため中国側の貿易交渉に臨む態度が厳しくなっていて、交渉の先行きに懸念が出ていると伝えています。
米中両国は来週から北京で閣僚級の交渉を開くことにしていますが、貿易摩擦が長引けば、世界経済の減速がさらに深刻になるおそれもあるため、打開策が見いだせるか関心が高まっています。