韓国・京畿道議会に提出された条例案で、一部製品への貼り付けが義務付けられる「戦犯企業が生産した製品」を示すステッカー=撮影日不明(道議会ホームページより)

 【ソウル時事】韓国の京畿道議会で、学校の備品に「日本の戦犯企業が生産した製品」と明記したステッカーを貼り付けるよう義務付ける条例案が提出された問題を、21日の韓国主要紙は社説で取り上げた。「時代錯誤的な発想」「感情的な対応」と批判する論調が目立ち、文在寅政権が反日感情をあおっていると批判する指摘もある。

韓国外相「慎重な審議を」=戦犯企業ステッカー条例案

 東亜日報は「時代錯誤的な発想と言わざるを得ない。学校で感情に基づく『レッテル貼り』を教えるのは、教育的ではない」と主張。さらに、元徴用工訴訟で日本企業への賠償を命じた韓国最高裁の判決以降、悪化している日本国内世論を刺激し「通商摩擦を招く懸念もある」と警告した。朝鮮日報も「21世紀の韓国で起きている時代錯誤的な動きを国際社会はどう見るだろうか」と疑問を呈した。

 中央日報は「何の実効性もない感情的な対応だ」と批判。文大統領が演説で植民地支配下で日本当局に協力した「親日派」の「残滓(ざんし)の清算」を訴えたことなどを挙げ「反日感情をあおる動きが広がっているのは、文政権の責任が大きい」と述べ、扇動を自制するよう求めた。