[ロンドン 21日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱期日が来週に迫る中、離脱撤回を求める声が広がり、英議会のウェブサイトに用意された離脱撤回を求めるオンライン嘆願書に100万件を超える署名が集まっている。
「EU基本条約(リスボン条約)50条(の発動)を撤回し、EUに残留しよう」と題するオンライン嘆願書は、メイ首相が20日夜、議会の膠着状態に終止符を打ち、決断を行う時期が来たとテレビ演説で呼び掛けた数時間後にアクセスが急増。
数分毎に数1000件の署名が集まり、21日1450GMT(日本時間午後11時50分)現在、署名件数は100万0128件に達した。ソーシャルメディアなどを通した拡散も背景にアクセスが殺到し、サイトは定期的にクラッシュしている。
議会は署名が10万件に達した場合は議会で討議に取り上げることを検討する必要がある。 ただ、メイ首相の報道官はリスボン条約50条発動の撤回について、「メイ首相には発動を撤回する用意はない」と述べている。
メイ首相は20日、EU離脱期日を6月30日まで3カ月延期するようEU側に要請。この日は、EUが英国に対し、英議会が来週中に離脱協定案を承認するとの条件付きで、離脱期日を5月22日まで延期することで合意する意向であることが文書草案で明らかになっている。
2016年に実施されたEU離脱の是非を問う国民投票では、1700万人を超える国民が離脱に投票、1600万人が残留に投票した。これを受け、英政府は17年にリスボン条約50条の発動を要請し、離脱手続きを開始した。
これまでに実施された署名では、17年にトランプ米大統領の英国公式訪問に反対する署名が180万件を超え、議会で討議された。