【パリ時事】イタリアのコンテ首相と中国の習近平国家主席は23日、ローマで会談した。両国は習氏が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」推進に協力する覚書を締結した。中国の影響力拡大に米国や欧州が警戒感を強める中、財政赤字に苦しむイタリアは中国からの投資と中国市場への輸出を活性化させたい考えだ。
両国は道路や港、情報通信などのインフラ整備の協力で合意。欧州連合(EU)加盟国のうち既にギリシャやポルトガルなど13カ国が覚書を締結しているが、先進7カ国(G7)ではイタリアが初めて。
これに対し、EUや米国は情報漏えいなど安全保障上の懸念を強めている。フランスのマクロン大統領は22日、ブリュッセルで「欧州が中国に対し無警戒でいる時代は終わった」と警鐘を鳴らした。伊連立政権内でも中国をめぐって意見対立が表面化。習氏を招いた22日の夕食会をサルビーニ内相が欠席した。