24日、バンコクでタイ総選挙の投票後、記者団の取材に応じるタイ貢献党のスダラット元保健相

 【バンコク時事】2014年5月のクーデター後から軍事政権が続くタイで24日、民政復帰に向けた総選挙(下院定数500)が行われた。選挙管理委員会によると、開票率約90%の段階で、プラユット暫定首相(65)の続投を目指す国民国家の力党が734万票を獲得し、得票数でリード。軍政と対立するタクシン元首相派のタイ貢献党は690万票となっている。

 ただ、議席にどのように反映されるかは不透明。いずれも過半数には届かず、選挙後は次期首相選出を視野に入れた親軍政勢力と反軍政勢力の多数派工作に焦点が移る。

24日、バンコクで投票する民主党のアピシット元首相(同党提供)

 反軍政を訴える新党・新未来党が504万票で続いている。クーデター前まで貢献党と二大政党を構成していた民主党は313万票と苦戦し、首相候補だったアピシット元首相は党首を辞任した。

 タイの総選挙は11年7月以来、約8年ぶり。クーデター直前の14年2月に行われた総選挙は反政府派の妨害に遭い、憲法裁判所が無効と判断した。