[ワシントン 25日 ロイター] – トランプ米大統領は25日、ゴラン高原についてイスラエルの主権を正式に認める宣言に署名した。総選挙を来月に控え、苦戦するネタニヤフ首相の追い風になるとみられている。
ゴラン高原は、イスラエルが1967年にシリアから奪い、81年に併合した。
ホワイトハウスを訪問したネタニヤフ氏は、自国がこれほどまで良き友を持ったことはないと述べ、トランプ氏の対応を歓迎した。
ネタニヤフ氏は、ゴラン高原の占領を続ける背景として過去の中東戦争に言及。その上で「(ゴラン高原を)決して諦めるべきでない」と言明した。
また米国のペンス副大統領はこの日、「イスラエルとともにある。イスラエルの理念は米国の理念で、イスラエルの価値はわが国の価値で、イスラエルの戦いは米国の戦いだからだ」と述べた。
トランプ氏の宣言を受け、シリアは主権や領土保全に対する「あからさまな攻撃」と指摘、ゴラン高原の返還を求める権利があると訴えた。
国連安全保障理事会は1981年、イスラエルのゴラン高原併合決定は無効で国際法上の効果がないとする決議を全会一致で採択している。
国連報道官は「国連のゴラン高原政策は安保理の関連決議に反映されており、政策に変更はない」と説明した。
北大西洋条約機構(NATO)同盟国、トルコのチャブシオール外相は、米国の承認について受け入れられず、国連などで対抗措置をとる方針を表明した。アラブ連盟も米国の動きを非難した。