[ロンドン 25日 ロイター] – 英国のメイ首相は25日、3回目となる欧州連合(EU)離脱協定案の議会採決実施に十分な支持が得られていないとの認識を示した。 

与党内の一部が首相に辞任を求め、議会が政権から離脱プロセスの主導権を奪う動きを見せる中、議会再上程の可否や時期は見通せない。国民投票から3年近くたっても、離脱がどのような形でいつ、実際に実行されるのかも不透明なままだ。 

議会の協定案採決は今月12日が149票差、1月15日は230票差で否決されている。 

首相は議会で「可能な限り早期に、現時点では5月22日に合意を伴う形でEUを離脱することが、英国にとって正しい道と引き続き確信している」と述べた。 支持獲得に向け、議員らと話し合いを続ける考えを表明した。 

採決を26日に行う場合、政府は25日の議会閉会までに緊急動議を提出する必要がある。 

首相は、国民投票再実施や新たな合意、離脱断念などに多数の支持は集まっていないとの認識を示した。 

EUは前週、英国がEUと取りまとめた離脱合意案を議会が可決すれば5月22日まで離脱を延期し、否決した場合は4月12日までに対応策を決めるよう英に要求した。 

首相は、離脱期日を5月22日以降に延期する「スロー離脱」について、欧州議会選への参加が必要となり、国境や法律、資金、貿易の監督権を失うことになり、国民を束ねる形の離脱とならないと指摘した。