北朝鮮情勢

韓国に駐留するアメリカ軍の司令官が、議会下院の公聴会で証言し、北朝鮮の軍事的脅威は依然、低下していないとの認識を示したいうえで、ミサイル発射場の再建など最近の動きについて、非核化の流れに逆行するとして強い懸念を示しました。

韓国に駐留するアメリカ軍のエイブラムス司令官は27日、議会下院軍事委員会の公聴会で証言し、「北朝鮮による非核化の約束と相まって非武装地帯での緊張は緩和したにもかかわらず、北朝鮮軍の戦力に変化はほとんど見られない」と述べ、北朝鮮の軍事的脅威は依然、低下していないとの認識を示しました。

物別れに終わった先月の2回目の米朝首脳会談以降、アメリカの研究グループによる衛星写真の分析から、いったんは解体の動きが出ていた北朝鮮のミサイル発射場が運用可能な状態にまで戻されている動きなどが確認されています。

こうした動きについてエイブラムス司令官は、「われわれが把握している北朝鮮の活動は非核化と一致しない」と述べ、非核化の流れに逆行するとして強い懸念を示しました。

一方、議員からは、アメリカと韓国が大規模な合同軍事演習を終了したことで、防衛力が低下するのではないかという懸念の声が相次ぎました。これについてエイブラムス司令官は、「去年11月以降、両軍の部隊レベルで82回の実動訓練を繰り返している。

訓練は目標に達している」と述べ、大規模演習の終了による影響はないとの認識を示しました。