[ワシントン 28日 ロイター] – 米商務省が28日発表した2018年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)の確報値(季節調整済み)は年率換算で前期比2.2%増と、2月公表値の2.6%増から下方改定された。市場予想は2.4%増だった。企業利益は2年超ぶりに増加しなかった。 

全米連邦信用組合協会(NAFCU)の首席エコノミスト、カート・ロング氏は「四半期の成長トレンドは明らかに弱まっている」と指摘。「労働市場は、少なくとも年内のリセッション(景気後退)を先送りするのに十分な強さを持っているが、利幅は縮小しており、マイナス成長になるのにさほど時間はかからないだろう」と述べた。 

18年通期のGDPは改定なしの2.9%増だった。トランプ政権は年間のGDP目標を3%増とし、1兆5000億ドル規模の減税や景気刺激策を導入したが、目標には届かなかった。ただ成長率は15年以来の大きさだった上、17年の2.2%増から加速した。 

18年の第3・四半期GDPは前期比3.4%増だった。景気拡大が続いた期間は19年7月で史上最長となる。 

18年第4・四半期GDPの前年同期比は3.0%増と、3.1%増から下方改定された。トランプ氏は前年比の数字に言及し、景気刺激策によって経済が安定的に伸びる軌道に乗ったと主張している。景気刺激策によって財政赤字は急増した。 

税引き後企業利益は前期から横ばいと、16年第3・四半期(横ばい)以来初めて増加しなかった。前期は3.5%増加していた。 

米S&P総合500種指数採用企業の利益に相当する、在庫評価・資本減耗調整を除く税引き後利益は1.7%(342億ドル)減と、17年第4・四半期以来の弱さだった。第3・四半期は0.9%増だった。 

ウェルズ・ファーゴ証券のグローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は「GDP成長率の減速は企業利益の伸びを圧迫し、人件費の増加が利益率を脅かすだろう」と述べた。 

第4・四半期GDPの内訳は、米経済の3分の2以上を占める個人消費は2.5%増と、2.8%増から下方改定された。ただ好調な労働市場が依然として個人消費を下支えしている。 

機器への投資は6.6%増と、6.7%増から下方改定された。知的産物への投資は10.7%増と、13.1%増から下方改定された。 住宅建設投資は4.7%減と、3.5%減から下方改定された。4四半期連続で落ち込んだ。 政府支出は0.4%減と、0.4%増からマイナスへ改定された。 

一方、輸出は1.8%増と、1.6%増から上方改定された。輸入は下方改定され、結果として貿易赤字は当初予想よりも減った。貿易赤字はGDPを0.08%ポイント押し下げる方向に働いた。改定値では貿易赤字の寄与度がマイナス0.22%ポイントだった。 

在庫は968億ドルと、改定値の971億ドルから下方改定された。在庫投資の寄与度はプラス0.11%ポイントだった。