- 12年以来の大きな上昇、エコノミスト予想をいずれも上回る
- 春節要因で抑えられた2月分の反動も-コメルツ銀の周浩氏
中国の製造業活動を測る政府の指数は3月に大幅上昇し、景気の安定化を示唆した。世界経済の先行きを巡る最大の懸念材料の一つが和らぐ可能性がある。
国家統計局が31日発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.5と、前月の49.2から上昇。2012年以来の大きな上げとなり、エコノミスト予想をいずれも上回った。項目別では、今後の活動の先行指標である新規受注と新規輸出受注指数がともに6カ月ぶりの高水準を付けた。
中国需要の減速が世界の自動車メーカーや商品輸出企業などの重しになっていたことから、今回の製造業PMIは世界の投資家にとって良いニュースとなる。だが、関税や対米通商協議を巡る不透明感が貿易の圧迫要因となり、国内消費に持ち直しの兆しがなお見られないことから、今後の道のりはまだ長い。
国泰君安証券のグローバルチーフエコノミスト、花長春氏は「中国経済は改善し、世界経済の安定化を支援する」と分析。欧州や米国経済も後押しするとした上で、世界の資産価格上昇につながる可能性があるとコメントした。
李克強首相は先週、企業経営者との会合で1-3月(第1四半期)の中国経済は予想を上回って推移していると話していた。
ただ、注意を要する材料もある。新規輸出受注は2月に付けた10年ぶり低水準から持ち直したとはいえ、なお節目の50を下回っている。さらに、3月のPMIは春節(旧正月)休暇で数字が抑えられた2月分の反動を反映した可能性もあるとコメルツ銀行エコノミスト、周浩氏は指摘した。
原題:China’s Factory Rebound Heralds Improvement in Global Outlook(抜粋)