[ニューヨーク 4日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが下落。軟調な独経済指標や、イタリアが今年の成長率目標を引き下げるとのロイター報道を受け、ユーロ圏の成長鈍化に対する懸念が高まった。
ドイツ経済省が4日発表した2月の独鉱工業受注指数は前月比4.2%低下と、2017年1月以来約2年ぶりの大幅なマイナスとなった。
スコシア銀(トロント)の主任FXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、独鉱工業受注指数は「鉱工業セクターが昨年後半の大幅な落ち込みからの急回復が見られないことを示唆している」と指摘。ドイツや韓国、中国など主要輸出国のセンチメントが悪化しているとした。
ロイターは、イタリアが2019年の国内総生産(GDP)伸び率目標を0.3%あるいは0.4%に引き下げ、財政赤字の対GDP比率目標を2.3%前後に引き上げる可能性があると報じた。
ユーロEUR=は対ドルで0.15%安の1.1217ドル。3月7日の安値1.1174ドルに接近している。同値を下回れば2017年6月以来の安値水準となる。
一方、投資家は米中通商協議に関心を寄せている。合意に達すれば世界の経済成長に対する逆風を払拭すると見られるためだ。
トランプ米大統領は4日、中国との通商協議は順調に進捗しているとの認識を示した。ただ「素晴らしいディール(取引)」でなければ受け入れない姿勢を示した。
また市場は5日発表の3月米雇用統計にも注目している。 ポンドは下落。欧州連合(EU)離脱問題の長期化懸念が広がった。
ドル/円
NY終値 111.65/111.68
始値 111.39
高値 111.68
安値 111.40
ユーロ/ドル
NY終値 1.1220/1.1222
始値 1.1226
高値 1.1230
安値 1.1206