- トゥスク大統領に宛てた書簡、英首相府が5日公表
- 最大野党の党首と協議している現状、延期要請の根拠
メイ英首相は欧州連合(EU)のトゥスク大統領に宛てた書簡で、離脱を6月30日まで延期することを要請した。首相府が5日、書簡を公表した。
メイ首相は離脱期限の延長を望む一方で、来月実施される欧州議会選挙への参加は回避したい考えだ。英国の要請を受け入れるかどうかは、EUが来週開く会合で決定する。EU内でも意見は分かれており、トゥスク大統領は最長1年の離脱延期を支持している。
トゥスク氏宛ての書簡で、メイ首相はコービン労働党党首と協議していることが延期要請の理由だと説明した。首相は「このプロセスが望ましい終着点に無事到達していないことに、いら立ちを覚える」と記し、「そこに行き着くための英国政府の決意に変わりはない」と表明した。
メイ氏はこれまで拒絶し続けてきた2度目の国民投票といった案についても、話し合いに前向きな姿勢を見せているというが、メイ氏とコービン氏の協議に進展の兆しはあまり見えない。
コービン氏は5日、欧州議会選挙が問題だとは考えていないと述べ、メイ氏との合意を急いでいないことを示唆した。メイ氏からトゥスク氏への書簡では、英議会の承認が間に合わない場合に備え、政府は欧州議会選の準備を進める意向を明らかにしている。離脱協定が承認された場合は、選挙への参加を取りやめたい意向だ。
トゥスク大統領が1年の延長を認める方向に傾いているのに対し、長期延長に反対する声が一部からあがっていると当局者は指摘する。大統領の提案には、協定案が英議会で承認されれば英国が期限を待たず離脱できる条項が含まれるという。
フランス大統領府はブルームバーグに対し、「EU加盟27カ国は明確な前提条件を示した。延期について話し合うのは時期尚早だ。延期要請を正当化するための信頼性のある代替案が必要だ」と述べた。
いかなる提案についても10日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議で全会一致の支持が必要。各国が一致できるかは首脳次第だが、フランスを中心に一部諸国が長期延期に反対しているという。ただ、どの首脳も延期を真っ向から拒否することはないだろうと当局者らは述べている。
原題:May Requests Brexit Delay to June 30 in Letter to EU’s Tusk(抜粋)
France Wants Clear Brexit Extension Plan by April 10: Elysee(抜粋)
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