• 中核国グループは首脳会議直前の調整会合開催を検討しているもよう
  • 1年間の延期を認めるべきだと考える諸国との間で妥協の兆しも

欧州連合(EU)の臨時首脳会議を10日に控えて、英国に認める離脱延期の長さが焦点となっており、中核国グループは首脳会議直前の調整会合の開催を検討しているもようだ。

  EUに残る27カ国の外交官による数日の協議を経て、4月12日より先まで英国の離脱延期を認めることに非常に懐疑的なフランスと、英国に1年間の延期を認めるべきだと考える諸国との間で妥協の兆しが見え始めたと当局者4人が明らかにした。

  当局者によると、英国に提案する離脱期限は2019年6月30日から20年4月1日の間のどこかになる可能性が現時点では高い。英国が少なくとも欧州議会選挙(5月23-26日実施)に参加することが条件になるが、フランスを中心とするグループは、英国が離脱前にEU関係の問題に混乱を生じさせることがないよう確実を期す追加条件を求めているという。

  オランダのルッテ首相は8日にメイ英首相と話した後ツイッターで、「前向きな決定は、誠実な協力に関する英国からの保証次第という側面もある」と主張した。メイ首相は6月30日までの離脱延期を求める先週のEU宛ての書簡で、英国は「誠実な協力」を実行すると約束したが、それでは十分でないと考える国もある。

  当局者2人によると、英EU離脱で大きな影響を受ける国の首脳らは、臨時首脳会議に先立ち、10日午後にブリュッセルで「調整」のための会合の開催を検討。そのグループには、ベルギーとフランス、ドイツ、オランダ、アイルランド、デンマーク、スペインの首脳らが含まれる可能性が高く、離脱延期に関する共通の立場と提示する条件の調整を目指すと当局者1人は語った。

  メイ首相は9日にベルリンでメルケル独首相、パリでマクロン仏大統領と相次いで会談し、英国側の主張を引き続き訴える。

原題:EU Said Closer to Brexit Delay Deal as Core Leaders Plan Talks(抜粋)