日本との貿易協定の締結に向けた交渉を前に、アメリカのパーデュー農務長官は、日本がアメリカ産の農産物にかけている関税などについて、かつてTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉で合意した内容を上回る譲歩を求める考えを強調しました。
日米両政府は、2国間の貿易協定の締結に向けて、茂木経済再生担当大臣とライトハイザー通商代表による閣僚級の交渉の初会合を、今月15日からワシントンで行う方向で調整しています。
これを前にパーデュー農務長官は、9日の会見で「日本と速やかに貿易協定を締結することを期待している」と述べ、昨年末にTPPが発効したことなどによって、アメリカの農家が輸出で不利な立場に立っているとして、交渉を急ぐ考えを示しました。
そのうえで、日本がアメリカ産の農産物にかけている関税などについて「TPPと同じか、それを上回ることを望んでいる」と述べ、かつてTPPの交渉で合意した内容を上回る譲歩を求める考えを強調しました。
トランプ大統領も「日本に対する貿易赤字は大きすぎる」と述べていて、アメリカが指摘する貿易の不均衡の是正は、中国やEU=ヨーロッパ連合と並んで優先順位が高くなっています。