• EUの外交官らは19年12月か20年3月を新しい離脱期限と受け止め
  • 10日の臨時首脳会議の結論草案、早期離脱条項も盛り込む
メイ首相
メイ首相 Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

欧州連合(EU)では英国の離脱再延期の期間を最長で1年とする案が有力となっている。これを受け、メイ英首相は国内で強い反発に直面する恐れがある。

  EUのトゥスク大統領(常任議長)は、短期間の離脱再延期を求めるメイ首相の要請を拒否。「短期間の延期と臨時首脳会議の開催を繰り返し、新たな崖っぷちの日々」が生じることになると指摘した。

EU Leaders Summit With Danger Of No-Deal Brexit Increasing
トゥスクEU大統領写真家:Jasper Juinen / Bloomberg

  10日の臨時首脳会議では、英国に認める離脱再延期の長さについて検討する。トゥスク大統領は最長1年の延期で意見の一致を望んでおり、加盟国の外交官らは2019年12月ないし20年3月が新たな離脱期限となる可能性が高いと受け止めている。首脳会議の結論草案によると、国内の行き詰まりが解消された場合の早期離脱条項も英国に提示する計画。

  英EU離脱を巡り英議会で予断を許さない採決が繰り返され先行き不透明感が何カ月も続いていた後だけに、長期の再延期見通しの台頭は崖っぷちの離脱を是が非でも避けたい企業にとっては朗報だ。しかし、3月29日までの離脱を繰り返し約束していたメイ首相にとっては新たな政治的敗北となる。

原題:EU Set to Force U.K. Into Long Brexit Delay in Danger for May(抜粋)