北朝鮮情勢

北朝鮮で重要政策を決定する朝鮮労働党の中央委員会総会が、10日、開催されました。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は、「敵対勢力に深刻な打撃を与えなければならない」と述べて制裁を続けるアメリカに対抗する姿勢を強調したものの、軍事的な挑発行為への言及はありませんでした。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、11日朝、重要政策を決定する中央委員会総会が10日開かれ、キム・ジョンウン委員長が演説したと伝えました。

この中でキム委員長は、物別れに終わった2回目の米朝首脳会談について、会談の趣旨と党の立場を説明したということです。そのうえで「制裁でわれわれを屈服させることができると血まなこになり、誤った判断をしている敵対勢力に深刻な打撃を与えなければならない」と述べ、制裁を続けるアメリカに対抗する姿勢を強調しました。

ただ、演説ではアメリカに対する軍事的な挑発行為への言及はなく「みずからの力で経済を立て直すことが社会主義の前進の動力となり、革命の存亡を左右する永遠の生命線だ」と述べ、制裁解除の見通しが立たない中、みずからの力で経済を立て直すよう国民に呼びかける内容となっています。

こうしたことから、北朝鮮としては、核実験とICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止するこれまでの方針に変わりはないものとみられます。