[11日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は市中銀行を対象とした長期資金供給オペ(TLTRO)の第3弾について、ゼロ金利やマイナス金利での貸し出しを検討している。関係筋4人がロイターに明らかにした。一方、マイナス金利の副作用を軽減するための中銀預金金利の階層化にはおおむね消極的という。
ECBはコメントを差し控えた。
マイナス金利での貸し出しは、中銀が利子を付けて金融機関に資金を供給することを意味する。ドラギ総裁は前日の理事会でTLTROのプライシング(条件設定)について議論しなかったが、今後の経済や銀行貸し出しに関するデータを見た上で判断するとし、6月にも議論する可能性を示唆した。
複数の関係筋によると、域内の成長見通しが予想以上に悪化する中、当局者らは景気の下支え策としてTLTROを一段と重視する方向に傾いている。運用についてはタカ派勢でさえ市場レートでの資金供給は無理と判断しているほか、現行の預金金利であるマイナス0.4%で貸し出す案も浮上している。
一方、中銀預金金利の階層化については、現行のマイナス預金金利が銀行に及ぼす悪影響は軽微で、リスクの方が大きいとの見方が大勢という。一部の当局者は金利階層化が「隠れ利上げ」と見なされる恐れがあると指摘。ただTLTROとの組み合わせで金利階層化が導入される可能性はあるとした。