- ベイルートのグッド・フェイス・インベストメンツが調査の焦点に
- 東京地検はゴーン被告を22日に追起訴、特別背任罪で
日産自動車、ルノーと、日産前会長カルロス・ゴーン被告の息子が関連する複数の企業を結び付ける送金疑惑の中心に、とあるレバノン企業が存在していることが分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者らが、詳細については公表されていないとして匿名を条件に明らかにしたところによれば、レバノンの首都ベイルートを拠点とするグッド・フェイス・インベストメンツ(GFI)によって送金が行われた疑いがある。ゴーン被告は22日、日産から海外販売代理店に支出した資金を私的流用したとして特別背任の罪で東京地検特捜部に追起訴された。
ゴーン被告は、日産が海外の販売代理店に送った資金のうち数百万ドルを流用した疑いがある。当局は販売代理店の名前は公表していないが、日産とルノーによる調査で、両社がインセンティブ(販売奨励金)の名目でオマーンを拠点とするスハイル・バハワン・オートモーティブ・グループ(SBA)に支払いを行っていたことが分かったとされている。
関係者らによると、日産とルノーによる数年にわたる支払いはゴーン氏が管理する資金からなされ、この種の支払いとしては慣例的ではないという。
関係者の2人によれば、SBAはレバノンのGFIに対してディベンドゥ・クマール氏という人物を通して支払いをしていた疑いがあり、同氏はSBAの親会社の幹部だという。GFIの届け出によると、クマール氏はGFIでも会長兼オーナーとなっている。
コメントは得られず
ブルームバーグはクマール氏に複数回にわたって取材を試みたが、回答は得られなかった。SBAはコメントを求める電子メールや電話取材に応対しなかった。GFIの代理人からはコメントは得られなかった。
複数の関係者によると、ゴーン被告はGFIからショーグン・インベストメンツへの送金を依頼。ショーグン・インベストメンツのマネジャーには、ゴーン被告の息子であるアンソニー・ゴーン氏が名を連ねているという。
GFIは15-18年にショーグン・インベストメンツに2500万ドル(現在のレートで約28億円)余りを送金した。関係者によると、ショーグン・インベストメンツはゴーン被告の投資会社の一つとして設立された。
事情に詳しい複数の関係者はブルームバーグに対し、ルノーの調査員は、ルノーの資金がアンソニー氏のフィンテック企業ショーグン・エンタープライゼズと、ヨットの購入に充てられた可能性があるとみていると述べた。
ゴーン被告の家族の広報担当者やゴーン被告の弁護士、アンソニー氏に対して記事に対するコメントを繰り返し要請したが返答はなかった。ゴーン被告がショーグン・インベストメンツで正式な役割を与えられているかどうかは不明。ルノーと日産の広報担当者は個別の疑惑に対してのコメントを拒否したが、日産の広報担当者はゴーン被告の不正に関して、今後も新たな事実が明らかになる可能性があると述べた。
原題:
Lebanese Firm Said to Link Nissan, Renault Cash to Ghosn’s Son(抜粋)