【ワシントン時事】2020年米大統領選に向け、民主党のバイデン前副大統領(76)が25日、正式に出馬を表明した。3度目の挑戦となる同氏は今回、支持率で他の候補者をリードし、最有力候補との見方もある。民主党の候補者指名争いは、同氏やサンダース上院議員(77)のベテラン勢を軸に激戦が展開されそうだ。
バイデン氏はオンライン上に投稿した動画で、バージニア州シャーロッツビルで17年夏に起きた白人至上主義者と反対派の衝突に言及。「国家の核にある価値、世界における地位、民主主義といった、米国を米国たらしめてきたもの全てが危機にひんしている。それが私がきょう出馬を表明する理由だ」と語った。
この衝突ではトランプ大統領が人種差別を明確に非難せず、批判を浴びた経緯がある。
バイデン氏は上院議員の36年間を経て、オバマ政権の副大統領を8年間務めた。これまで1987年と07年に党の指名争いに名乗りを上げ、16年大統領選も出馬を検討した。
各種世論調査では今回、出馬未表明の段階から3割近い支持を得てトップを走る。リベラルな候補が目立つ中、豊富な政治経験から「トランプ氏に勝てる候補」という期待が穏健派を中心にある。