[パリ 25日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は25日、約50億ユーロ規模の減税を行うと表明した。「黄色いベスト運動」沈静化へ、大統領就任後初の大掛かりな記者会見に臨んだ。 

国民がより長い時間働くことが必要になるとも訴えた。 

所得税の大幅引き下げが望ましいとし、一部企業が関係する抜け穴に対処することで、費用を賄うとした。 

政府支出を圧縮するほか、社会負担能力の向上に向け労働時間延長が必要になるとも指摘。「近隣諸国民と比べフランス国民の労働時間はかなり短い。この問題で真剣な議論が必要」と訴えた。 

週間労働時間の延長を義務付けたり、銀行休業日数を削減したりする可能性は否定し、現在の最低定年退職年齢(62歳)の引き上げに消極姿勢を示した。 

このほか、「エリート養成校」として知られる国立行政学院(ENA)廃止を望むとし、地方分権に向けた新たな取り組みにも触れた。地元首長の支持を得ずに、学校や病院を閉鎖しないことなど1年以内に変革を実現させるとした。 

年金改革案を今夏内閣に示すとしたほか、最低年金を今後引き上げる際にインフレと連動させる考えも示した。