安倍晋三首相は6日夜、トランプ米大統領と電話で約40分間会談し、北朝鮮の日本人拉致問題に関し「あらゆるチャンスを逃さない。私自身が金正恩朝鮮労働党委員長と条件を付けずに向き合わなければならない」と述べ、前提条件なしに日朝首脳会談を模索していく考えを伝えた。
首相はこれまで日朝首脳会談について「行う以上は拉致問題の解決に資する会談にしなければならない」と強調していた。6カ国協議の参加国のうち、日本だけが北朝鮮と首脳会談を行っていない現状を踏まえて方針転換した形だが、実現の見通しは立っていない。
首相とトランプ氏は会談で、北朝鮮による4日の飛翔(ひしょう)体発射を受け、今後の対応を擦り合わせた。両首脳は飛翔体が弾道ミサイルかどうかなどについて、日米の専門家で協力して分析を進めていくことで一致。昨年6月の米朝合意に基づき、朝鮮半島の非核化の速やかな実現を目指していくことを確認した。