[ニューヨーク 7日 ロイター] – 米国株式市場は大幅安。ダウ平均株価.DJIは一時600ドル以上値下がりし、終値で2万6000ドルの水準を下回ったほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数.IXICも8000ポイントの大台を割り込んで取引を終了した。米中貿易摩擦の激化を巡る懸念からリスク選好が後退した。 

貿易の影響を受けやすいS&P工業.SPLRCI、情報技術.SPLRCTの下落率が目立った。全11セクターが値下がりし、下落率が1%未満だったのは公益事業.SPLRCUとエネルギー.SPNYに限られた。 

トランプ米大統領が中国製品に対する関税引き上げを表明したことについて、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官は6日、中国側が協議の中で約束を後戻りさせたことを受けたと明らかにした。 

両氏のコメントを受け、米中通商協議の決着まで想定より大幅に長引くという懸念が広がった。 エドワード・ジョーンズの投資ストラテジストは「進展があり、合意に達すると毎週耳にしてきたが、ゴールポストが動いてしまった。期待にかなりの変化が出ている」と話す。 

「恐怖指数」の異名を持つシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数).VIXは3カ月超ぶりの水準に上昇した。 

個別銘柄は、中国に輸出する航空機大手のボーイング(BA.N)が3.9%安、重機メーカーのキャタピラー(CAT.N)も2.3%値下がりした。 ハイテク株はマイクロソフト(MSFT.O)が2.1%下落、アップル(AAPL.O)は2.7%安。S&P総合500種の重しとなった。 

米後発医薬品(ジェネリック)大手マイラン(MYL.O)は23.8%安と下げが目立った。第1・四半期の売上高が市場予想を割り込んだほか、戦略的な見直しの更新がなく経営陣への不信感につながった。 

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N)は6.8%高。四半期決算で利益が予想を上回った。 ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.13対1の割合で上回った。ナスダックも3.32対1の割合で値下がり銘柄数が多かった。 

出来高が78億株、過去20営業日平均は67億1000万株だった。