米国が計画する対中関税引き上げが発効すれば、中国は報復措置に出ると表明した。一方、トランプ大統領は米中合意を楽観する姿勢を示唆。両国からは相反するシグナルが打ち出されている。
中国商務省は「貿易摩擦が激化するのは中国の国民および世界の利益にかなわない。中国はこの動きを深く憂慮する」との声明を発表した。
トランプ大統領は8日朝、中国の代表団が訪米するのは合意を成立させるためだ、とツイート。米国はすでに、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)相当に賦課する関税率を、東部時間10日午前0時1分に25%に引き上げると明らかにしている。
トランプ大統領が一連のツイートを発信した後、ホワイトハウスのサンダース報道官は記者団に対し、「中国から、合意に前向きな示唆があった。米国の交渉団は明日、中国側と協議する。結果を見守る」と述べた。トランプ氏のツイートとサンダース氏の発言を受け、米株式相場はそれまでの下げを埋めて上昇に転じた。その後で中国商務省の声明が明らかになると、S&P500種は上げ幅を削り、ニューヨーク時間午後1時40分の時点で前日終値付近で推移している。
原題:China Threatens Retaliation as Trump Touts Chances of Trade Deal(抜粋)