[東京 9日 ロイター] – ソフトバンクグループ(SBG)(9984.T)の孫正義社長は9日の決算会見で「ビジョンファンド2の設立準備に入る」と述べ、新ファンドの設立を正式に表明した。第2弾を早期に立ち上げることで、投資先企業で緩やかなグループを構成する「群戦略」をさらに推し進める。
ファンド規模はビジョンファンド1と同程度の10兆円程度を想定。ビジョンファンド1の資金切れで投資が途切れることのないよう、まずはソフトバンクグループの100%出資で暫定的にスタートさせ、その後、他の投資家に参加を呼びかける。
孫社長は「ファンド1の出資者の大半がファンド2に対しても高い関心を示している」と述べ、資金集めに自信を示した。
<4年連続純利益1兆円超えへ>
2019年3月期の純利益は前年比35.8%増の1兆4122億円となり、3年連続で1兆円を突破した。ビジョンファンドが利益を押し上げた。
孫社長は「今期もほぼ確実に1兆円を突破することが見えており、4年連続で1兆円を超える」と語った。
営業利益は前年比1.8倍の2兆3539億円だった。前日に決算を発表したトヨタ自動車(7203.T)の2兆4675億円に迫った。
ビジョンファンドとデルタファンドからの利益は1兆2566億円となり、営業利益の過半を稼ぎ出した。前期は3029億円だった。
同社は業績予想を開示していない。リフィニティブが集計したアナリスト16人の営業利益予想の平均値は1兆3190億円となっている。
売上高は前年比4.8%増の9兆6022億円だった。 同社はこの日、6月27日の株主に対して、1対2の株式分割を実施することも併せて発表した。
孫社長は「これから投資家に春を楽しんでもらう収穫期に入る。やっと期待に応えられるフェーズに来た」と語った。