4月の米消費者物価指数(CPI)統計によると、食品とエネルギーを除くコア指数は市場予想を下回る伸びにとどまった。中古車や被服の価格下落が反映された。低調なインフレは「一過性」だとする米金融当局の見解が問われる内容となり、トランプ米大統領にとっては利下げを要求する根拠が増えた。
キーポイント |
・コアCPIは前月比0.1%上昇ー市場予想0.2%上昇 ・前年同月比では2.1%上昇ー予想と一致 ・総合CPIは0.3%上昇ー予想0.4%上昇 ・前年同月比では2%上昇ー同2.1%上昇 |
背景
- 49年ぶり低水準にある失業率や着実な賃金の伸びにかかわらず、持続的なインフレ上昇を期待しづらい状況は当面続く可能性が示唆された。一方、トランプ米政権が10日に中国からの輸入品への関税を引き上げたことから、物価は今後数カ月に押し上げられる可能性がある
- ソシエテ・ジェネラルの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・ギャラハー氏:
- 「米金融当局は一過性だと言っているが、根強い弱さが続いているため、注意深く見守っていく必要がある」
- 中古車と被服の価格低下については、「両方とも一時的と思われるが、これらはなおコア指数をかなり圧迫しており、コア指数はかなり低い結果となっている」
- コア指数は3カ月年率換算で1.6%上昇し、ほぼ2年ぶりの低い伸び
詳細
- エネルギー価格は前月比2.9%上昇。ガソリンが5.7%上昇。一方、食品は0.1%低下。医療は0.3%上昇
- 被服は0.8%低下(前月1.9%低下)と、2カ月連続で大幅なマイナス。前月は1949年以降で最大の低下だった
- 中古車は1.3%低下と、昨年9月以来の大幅なマイナス。これで3カ月連続の低下。一方、新車は0.1%上昇で、伸びは前月を下回った
- 別の労働省統計によると、インフレ調整後の実質平均時給は前年同月比1.2%上昇。前月は1.3%上昇
- 統計の詳細は表をご覧ください
原題:U.S. Consumer Prices Trail Estimates, Testing Powell’s View (2)(抜粋)